雨水は蒸留水。だから腐らない 続
2015年12月13日
たとえば小学校に受水槽があったとする。夏休みに水をほとんど使わないとすれば塩素がなくなって細菌類が増え、1か月後には水が白濁してしまうことがある。ちなみに学校では9月の授業が始まる前に、受水槽の掃除をして水を入れ換えることが多い。
質問者はじっと私の説明を聞き入っていた。そして疑問を一つエアコン投げかけた。
「それでは雨水はどうして腐らないのですか?消毒用の塩素だって入っていないじゃないですか」
雨はどうしてできるのか考えてみよう。地球上の水の循環を頭に浮かべてみる。海や河川、湖沼、地表などから水が蒸発して大気中へ上がり雲になる。
この雲から雨が地表に落ちる。こうした雨を貯めて利用しているわけだ。
雨は簡単に言えば「蒸留水」である。ほとんど不純物を含んでいない。大気がきれいならば屋根に落ちるまでは純度の高い水なのだ。実際には車の排気ガス、工場排煙などによる大気の汚れや屋根の上に貯まる排ガスの粉じんや土埃などの影響はある。
それでも浄水場が取水している河川とくらべると、はるかに不純物を物がほとんどないので、腐りにくいのだ。
ここまで話すと、質問者の男性はやっと納得がいったようだ。
雨はどのくらいきれいなのか ―――保健所の水質検査結果
12月に地元の保健所へ水槽に貯まった雨水の水質検査を依頼している。建物ができてからすでに8回の検査をした。そもそも雨がどのくらいきれいなのか、調べてみたいと思ったのがきっかけだった。保健所の水質検査は一般細菌数、水素イオン濃度(PH値)、濁度など10項目について調べて、6700円になる。
前述した建築学会のシンポジウムで、私はこれまでのデータを報告した。
会場の会議室には50人以上が詰めかけていた。雨水利用に関心がある市民、大学教授、建築士、雨水貯留タンクの製造・販売会社、行政の関係者などだ。
水質検査の結果は、私が予想していた以上に良かった。エアコン水道水の水質基準を定めている「水道法」に照らし合わせてみて、当初の冬には10項目中、色度、臭気、味、PHを除く6項目で適合した。











