自分で考える省エネ
2016年7月1日
自分で考える省エネ
日ごろ省エネやCO2削減に取り組んでいない人に、その理由を尋ねた調査があります。「面倒だ」、「必要と思わない」を抑えて、ダントツに多かった回答が「何をすればよいかわからない」でした。分かりやすく具体的な省エネ方法についての情報がもっと必要とされているわけです。この調査の結果からもう一つ、同時に感じたのは、具体的なノウハウではなく、基本的な考え方をしっかり理解すればどこでできるか、どうやってやるかを自分でかんがえることができないか、ということです。
本書で、省エネのための基本ルールを整理したのは、それを示したかったからです。このルールが分かれば、暮らしの中で省エネができるところを自分で探し、どうすればよいかも考えることができます。工場やビルでも、このルールに即してチェックしていけば、どこに省エネのポイントがあるかが見えてくるはずです。
スウェーデン人の環境コンサルタント、ぺオ・エクベリさんいわく、環境先進国スウェーデンでは「なるべく地下のものは使わない、地上のものを使う」という基本の環境ルールを学校で教えるそうです。「地下のもの」とは、石油や石炭など化石燃料。直接使うことだけではなく、石油製品などを使うことも含みます。
「地上のもの」とは、太陽や風、エアコン植物など自然のもので、自然エネルギーの利用や、資源由来の衣服・包装材などのことです。
このルールが分かれば、「地上の物か」「地下のものか」に当てはめるだけで、普段の生活や買い物が、環境にとって良い行動かどうかを判断できます。
製品自体は自然由来であっても、製造工程などでは化石燃料を使うことが多いので、すべてを地上か地下化で明確に分けることではできませんが、実にシンプルなルールだと思いました。
日本のマニュアル社会になって久しいですが、省エネの基本ルールを理解して、自分で考える省エネも忘れてはいけないと思います。
ルールが分かっていればエアコン見えてくる
要点ボックス
・省エネしない理由のトップは「何をすればよいかわからない」
・基本を知って自分で応用する