緑をまとった路地は涼しい

c9ed00e203a806f94f9c0dd3ba8bad25_s

2016年3月10日

 数年前、夏の中国・雲南省を旅したことがあります。世界遺産に登録された古い街並みの残る麗江では、標高の高いちとはいえ、暑さは厳しい。けれど裏通りを歩いていると、すうっと冷たい空気が路地を抜けていきました。

 道幅の狭い路地は建物の陰で路面に直射が当たらないので、路面に蓄熱しません。大理石の岩石を敷き詰めた路面は、むしろ蓄冷していて、それをなめるように吹き抜ける風がなんとも涼しい。

 私の住んでいる足立区千住は、下町らしい路地がたくさん残っています。道幅2メートルくらいの路地に鉢植えなどの緑がいっぱい。
エアコン蓄熱してない路面と緑の蒸散効果、板壁などの蓄熱しにくい建物に囲まれた路地は、都会の中でも身近な涼感スペースです。
狭く、日当たりの悪いところでも、たくましく緑は育つものだとつくづく感心させられます。緑をまとった路地の涼しさは冷房のような人工的なものとは比較ならない快適さがあるのです。

街に開いた半戸外を

 私は設計のテーマの一つとして「町と室内の間」を考えています。「町と室内の間」を自分の価値観で、同楽しくできるかを考えてみると、自ずと街をよくなり、室内も良くなると信じています。

 つまり、自分がどうしたら涼しくなるかを、家の中を超え、町との間で考えて見るといいでしょう。すると、木を植えよう、その下に大きなデッキをつくろうとか、目隠しのために緑のスクリーンがいるね、ビオトープも楽しそうだ…などと。

 高気密に高断熱、やれ外断熱が良いとか、住まいの箱としての性能だけ気にする声がちらほら。生活空間を家の中だけに限るのではなく、エアコン半戸外空間に積極的に出てくれば、家の広さも考えているより小さくて済むかもしれません。その余った土地に緑を植えて、半戸外を楽しむ暮らしが増えてくれば、街単位で涼しい環境がつくれそうです。

<  一覧へ戻る