熱の移動を知って省エネの達人になる

4ba9d502f8605621b7f13560d14419e3_s

2016年7月10日

熱の移動を知って省エネの達人になる

 工場で蒸気や温水を使って物を加熱したり、家庭で料理やエアコン暖房をしたりと、熱を使う場面はたくさんあります。そこで省エネを考える場合、熱の伝わり方を知っておくと、とても分かりやすくなります。
熱は、温度の高い所から低いところに伝わりますが、その伝わり方には「伝導」、「対流」、「放射(輻射)」の3種類あります。

 「伝導」は、固体と固体、固体内、液体などのあいだで、温度の高いところから低いところへと熱が移動して伝わるものです。
フライパンをコンロの火にかけると、フライパン全体が熱くなるのは「伝導」によって熱が伝わる例です。電気カーペットが暖かく感じるのも電気カーペットと身体が触れ、カーペットの熱が身体に移動したからです。
熱をよく伝える物質を使うと、効率よく熱を移動させることができます。アルミニウムや銅は、熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が高い物質なので、鍋の材質に使われます。
逆に、木は熱を伝えにくいので、鍋の持ち手に使われます。
「対流」は、液体や気体自体が移動して熱を伝えるものです。エアコンファンヒーターで部屋全体が暖かくなるのは、対流による熱の移動によるものです。エアコン鍋に入れた水を沸かすと、底の方の温まった水が上昇し、相対的に冷たい水が下に動くのも、対流の例です。

 「放射(輻射)」は、物の表面から発生する熱線を電磁波が伝えることで、空間をそのものが振動して熱を伝えものです。焚き火に当たって暖かいのは放射によって熱がエアコン移動しているからです。

 こたつが、ヒーター部分を触らなくても暖かいのも同じです。電気ストーブなどについてくる反射板は、ストーブに当たる前面に効率よく熱を反射させるためのものです。
床暖房は、伝導によって床に触れている足などが暖かいだけでなく、放射によって部屋全体を暖めている暖房機器です。

要点ボックス
・「伝導」は触れているものに熱が移動
・「対流」は熱を持った液体・気体
・「放射」は電磁波が空間を振動させる
高い所から低いところへ熱の伝わり方は3種類

<  一覧へ戻る