温冷感によって異なる設定温度

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2014年8月17日

温冷感によって異なる設定温度
 「最近省エネエアコンを買って部屋に取り付け、以前使っていたエアコンと同じ温度に設定しているが、以前のものよりより冷えていないような気がする。」という意見を聞くことがあります。中には購入された省エネエアコンに問題があり、きちんと設定温度になっていないと思われている場合も多くあります。そこで温度計を用いて部屋の温度を測ってみると、大抵の場合は見事にリモコンの設定温度とほとんど同じ温度になっています。では、なぜ以前のものより冷えていないと感じたのでしょう。もちろん、以前のエアコンの温度調節がいい加減で、設定温度より実際の温度が低くなる傾向があったかもしれません。ただ、人の感覚によるところも大きいと思います。温度の他に湿度も暑いとか寒いとかいう人の感覚に影響を与えています。カラッと乾燥していると多少温度が高くても平気なのですが、ジメジメと湿度が高いときは大変暑く感じます。このような人の感覚は温冷感と呼ばれますが、実際に人の温冷感は温度の他にも、湿度、風の流れの速さ、周囲の壁等の温度、着ている衣服や運動しているかどうかによって変わります。

 「インバータを使った最近のエアコンでは、部屋の空気中の水蒸気を取り除けなくなった」と前述しましたが、その結果、部屋の湿度も高くなりやすくなってきました。インバータを使っていない従来のエアコンでは、冷房運転によって空気中の水蒸気も取り除かれ、室内の湿度が低くなったために、温度が多少高くてもそんなにあつく感じませんでした。しかし、省エネエアコンを使うと部屋の湿度が高いままなので、同じ温度でも暑く感じるようになってしまうのです。

 このようにインバ0ータを使った最近の省エネエアコンでは、少ない消費エネルギーで冷房運転や暖房運転ができ、部屋を思い通りの湿度にすることができますが、一方で湿度に関して言えばなりゆきになり、思い通りの湿度にすることができません。インバータを使っていない昔のエアコンの場合でも湿度はなりゆきでしたが、冷房時の室内機の熱交換器の温度が5℃程度と低かったため、空気から勝手に水分が取り除かれ、結果として室内がほどよい湿度になることも多くありました。インバータを使ったエアコンでも、インバータを使っていない従来のエアコンでも、湿度がなりゆきになるということでは変わりませんが、従来のエアコンでは冷房時に除湿される場合が多かったのに対し、インバータを用いたエアコンでは冷房時にあまり除湿することができず、湿度が高くなりやすかったことが、決定的に異なります。

 ここまで、最近エアコンが急に省エネになってきたことについて、「どのような方法で少ない電力で冷房ができるようになってきたのか」エアコンのしくみを考えながら説明してきました。また冷房運動の省エネができるようになったと同時に発生してきたエアコンの除湿不足の問題についても簡単に説明してきました。実はエアコンの除湿不足は、高気密高断熱住宅等、最近の高性能の住宅ほど重大な問題を引き起こしやすくなります。

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