暖房と冷房
2014年8月26日
集合住宅の段冷房設備の基本的な考え方から、計画、設計、施工、維持管理に必要とされる技術を具体的に解説し、集合住宅としての温熱環境の質の確保と向上を図ることを目的としている。
これまで事務所建物などの段冷房設備が、作業効率の向上を主な目的として計画されているのに対し、集合住宅においては、居住者の生活様式や年齢、家族構成、地域や社会環境の変化など多様な要素と、室の用途や時間で変動する要求を満たし、健康で安全、快適な生活空間を提供することを目的としている。
周囲の環境に対し建物と人とがどの様に関連するかを示したものである。建物は人にとって自然環境に対するシェルタ(外殻)となり、その性能によって室内の温熱環境は大きく変わる。もちろん室内で人が生活することから、汚染物質(CO2、CO,たばこ、臭気、熱、燃焼ガス、粉じん、有害ガス、菌、ダニ、他)の発生がある。またエアコン外部から侵入する有害物質などの除去や調整機能も建物や設備システムに求められ、室内を快適に保つことが要求されている。しかしながら、人の年齢や生活様式によって快適である条件も異なり、対応する手法も多岐にわたることも住宅設備の特色である。
3章で述べる住宅の温熱環境基準が幅広い値として記述されているのもこのような理由からで、段冷房設備に求められる機能には、多様な要求があることを十分認識することが重要である。
住宅の種類別により主要耐久消費財の保有状況がどの様なものとなっているかを示したものである。段冷房に使われるルームエアコン、電気カーペットなどの普及率は高く、住宅におけるエネルギー消費量の増加が予測される。近年では、このような傾向に、利便性、快適性への要求度も強まってきている。今後は、省エネルギーと地球規模の環境保全を図ることが大変重要な時代となってきていることからも、集合住宅の段冷房設備の計画においては、快適性と省エネルギーを兼ね備えたシステム設計と施工、管理が必要条件である。











