暖冷房設備の熱負荷

2014年10月6日

暖冷房設備の熱負荷

 冬の寒さや夏の暑さの中で室内を快適にしようとする場合、エアコン暖冷房設備が必要になる。この設備の能力を決めるための計算を負荷計算と呼ぶ。暖冷房負荷には冬に室内から出てゆく熱が暖房負荷、反対に夏に室内に入ってくる熱が冷房負荷で、それぞれの負荷は建築的な要素によるものと、設備的な要素によるものの二つに大別される。建築的な要素としては建物の断熱性(構造体自身の熱の伝えやすさ)と気密性(すきま風の量)によって決まる暖冷房負荷があり、設備的な要素としては室内に据えつけられる照明やテレビなどの機器や人体からの発熱によって決まる冷房負荷がある。暖房の場合、建物から出てゆく熱に対して室内での機器発熱は暖房を助ける形になるため、両者の差が実際の暖冷房負荷になる。一方、冷房の場合では、熱が室内に入ってくるので内部発熱は冷房の妨げになるため、両者の和が実際の冷房負荷になる。

 このような考え方を整理したうえで、この節では、暖冷房負荷を手計算で求めるための必要な事項を説明し、実際に計算する方法について解説する。

暖冷房負荷
 暖房負荷の計算は、冬季に快適な室内環境を維持するために建物から失われる熱量を求めることである。冬季といえども太陽光が当たったり、室内の設備機器の発熱があったりと暖房を助ける要素があり、計算によっては発熱の何割かを見込む場合があるが、エアコン機器の使用状況によって発熱量が大きく変わるため、本書では暖房負荷にとって安全側になると考え、建物からの熱損失のみを暖冷房負荷として解説を進める。

設計条件
 負荷計算を始めるにあたり、まず、対象とする部屋の大きさや壁などの断面構成を把握をしなければならない。その他に、建物が建つ地域の外気条件と室内条件がある。エアコン暖房負荷計算における外気条件とは、その土地の最低の外気温湿度のことである。これに対して室内条件は、温熱環境として室内温湿度に幅を持って定義されているが、負荷計算を行う場合では一定値として条件設定する。

通過負荷の求め方

壁などの構造体の熱伝導によって室内から室外へ流出してしまう熱を通過負荷という。使負荷を求めるには以下の式が用いられる。
 外壁、屋根からの通過負荷
=外壁、屋根の面積×熱通過率×(外気温度―室内温度)
外気に接しない壁(天井、床、内装など)からの通過負荷
=外気に接しない壁面の面積×熱通過率
×(外気気温―室内温度)×隣室温度差係数

 住宅において隣室との温度差は、ほとんどの場合室内外温度差より小さくなる。大半の場合、隣室との温度差は不明なので、内外温度差に隣室温度差係数を乗じた温度差を用いて通過負荷を求める。

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