住宅の温熱環境
2014年10月4日
住宅の温熱環境
建物の温熱環境を考える場合、環境条件としての温度、湿度、気流、放射、じんあいなどの空気質などの物理的要素がその指標となる。「暖冷房設備」と定義した場合、環境条件の物理的要素のうち、とくに温度について制御することを主眼としているが、「空気調和設備」と定義した場合には、制御すべき環境要素としては温度の他に、湿度、気流、空気質などの要素についても適切に制御することが要求される。
従来、住宅における暖冷房設備は、業務用建物に適用される空気調和設備とは異なり、住宅特有の「住まい方」にあった設備を考慮する必要があり、業務用建物の空気調和設備として考えるにはまだ多くの課題がある。したがって、住宅では温度以外の住環境要素については、暖冷房設備の方式により必ずしも制御できるのもではない。そのため、本書での温熱環境基準は、具体的に温度基準について述べ、その他の項目については参考資料などを参照されたい。
居住環境と温度基準の現状
空気調和・衛生工学会住宅設備小委員会の報告によれば、住宅の特徴は、暖冷房関連の設備機器が巨樹者の生活行為に深くかかわりがあり、しかも24時間を対象としていることである。さらに、従来の環境基準は健常者を対象にしていることが多いが、住宅は業務用建物とは異なり、高齢者、身障者、病人、乳幼児などもその範囲として、特別な注意を払う必要がある。設備機器と生活行為の関係は住宅設備委員会において検討されており、暖冷房機器が、眠る、食べるをはじめとするかなり広範囲の生活行為と密接な関連がうかがえる
最適な熱環境は、基本となる温度設計条件が適正であり、その条件により算出した暖冷房負荷に暖冷房機器・システムにより、生活行為に順応した運転制御が可能でなければならない。文献に示されている暖冷房設計条件としての温度は、一部を除いて、温度範囲として示されている。さらに、地域、居室別、対象者などの条件を設定している。冷房温度は26~27℃(DB)でほぼ一定の範囲に設定されているが、生活行為にかかわる別室に決めている例は少ない。また、エアコン暖房温度は出典によりばらつきがあり、むしろ暖房負荷算出条件としての傾向がうかがえる。
なお、湿度に関しては、60~80%(夏季)、40~50%(冬季)であり、成り行きの傾向がうかがえる。
最近では、高齢者や身障者のための暖冷房温度基準が示されている。高齢者と身障者の温度基準はほぼ同様であるが、一般の基準と比較すると、冬季は高めに、夏季は低めに設定されており、またその許容幅は小さいことが特徴となっている。また、室間の温度差も少ない方が良く、一般居室以外にも、浴室、脱衣室、便所なども温度基準が示されている。










