デシカント除湿のためのエネルギー
2014年9月6日
デシカント除湿のためのエネルギー
再熱除湿のように空気を冷やす必要がなく、エネルギーも使用せずにシリカゲルが勝手に水分を吸ってくれるので、デシカント除湿の方が省エネだと感じるかもしれません。シリカゲルがいつまでも空気中の水分を吸い続けてくれれば、確かに除湿のためのエネルギーもいらず省エネな除湿方法になるでしょう。
ところが水分を吸い続けると、そのうちにシリカゲルの中が満タンとなり、これ以上水分を吸い続けることができなります。それでは「シリカゲルを部屋の外に持っていって水分を追い出せばよいのではないか。」と思われるかもしれません。確かにそのとおりです。
ただし、ここには大きな問題があります。シリカゲルから水分を取り除く際に、再熱除湿のときに空気を冷やすために使われるエネルギーの量が必要となることがほとんどなのです。
もっとも除湿機のような機械ではなく、押し入れなどに置いておくと勝手に水分を吸い取り、自らはその水に溶けるような使い捨てタイプのものもありますが、もしこのタイプを繰り返して使おうとした場合にも、同様に必ず吸った水分を吐き出させる必要が出てきます。
家庭用のデシカント除湿機のしくみ
家庭用のデシカント除湿機として出回っているものには、シリカゲルと同じように水分を吸ったり吐いたりすることができる、ゼオライトと呼ばれるものを使っている除湿機があります。
ゼオライトは通常円盤の形をしており、この円盤がゆっくり回転し、円盤の一部に室内の空気をあてるようになっています。室内の空気がゼオライトに当たる空気中の水分が吸い取られるため、空気を除湿することができます。空気中の水分を吸い続けるとゼオライトの中が水で満タンになるため、円盤の一部を暖めることでゼオライトから水分を取り除きます。こうして円盤を回すことによって空気中から水分を連続的に取り除くとともに、吸った水分をゼオライトから連続的に吐き出させることができるのです。吐き出した水分は外に追い出すこともできますし、冷やして液体の水にして取り出すことも可能です。ただし、ゼオライトの場合もシリカゲルの場合と同様に、ゼオライトから外に水を吐き出させるときに非常に大きなエネルギーが必要となってきます。
家庭で使われているデシカント除湿機の多くは、電気ヒーターでシリカゲルやゼオライトを暖めて水分を取り除くしくみになっています。ヒーターは、電気のエネルギーを直接熱に変えるものですが、エアコンで使っているヒートポンプは電気を使って熱を持ち上げるものです。ヒートポンプの場合には電気エネルギーの3倍とか5倍とかの熱のエネルギーを必要なところに運ぶことができます。しかし、電気ヒーターの場合、目一杯熱を出したとしても、その量はもともとの電気の持っているエネルギーの量を超えることは決してありません。
ゼオライトやシリカゲルを加熱し、水分を外に追い出すために電気ヒーターを使うことは、実はエネルギーを大変無駄にしています。しかし、電気ヒーターはニクロム線に電気を通すだけといった大変シンプルな構造で安いため、家庭用のデシカント除湿機の多くに使われているのです。
今後、ヒートポンプを搭載したデシカント除湿機が出てくると、もしかしたらルームエアコンより除湿の効率が良くなる場合があるかもしれません。










