インバータは省エネの強い味方

2016年9月4日

インバータは省エネの強い味方

 発電所から工場や家庭に送られる電気は交流電流で、周波数は、富士川から糸魚川近辺を境に、東側が50ヘルツ、西側が60ヘルツです。
インバータは、交流電流をいったん直流電流に変換してから、自由な数は数の交流電流に変換する装置です。

 インバータを使うとどんな利点があるのでしょうか。たとえばエアコンでは、圧縮機の中のモータを回転させて冷媒を圧縮しています。
昔のインバータなしのエアコンでは、モータはオンかオフの動作しかできませんでした。つまりモータがフル回転するか、回転しないか。ですから室温が設定温度に達したら、その温度を保つということがなかなかできませんでした。

 インバータエアコンでは、周波数を変えることでモータの回転数を自由に変えることができるので、立ち上げたときにはハイパーで運転して室内をすばやく冷やし(暖め)その後は低パワーで運転して室温を保つといった温度調節が可能です。

 また工場などで多数使われているポンプやファンの流量・風量をバルブやダンパーで調整しても、モータ自体は回転しているので消費電力は減りません。インバータでモータを必要なぶんだけ回転させて調整すれば省エネになります。
モータの消費電力は、回転数の3乗に比例しますので、回転数を10%減らせば、消費電力は0.9の3乗(=0.729)つまり、約27%へります。

 インバータは、照明器具にも使われています。蛍光灯は、電極から放出された熱電子が水銀原子と衝突して赤外線を発生し、それが蛍光物質に照射されることで可視光線となります。インバータによって周波数を上げることで、放電階数を増やし、熱電子と水銀原子の衝突確率を上げています。

 同じ電力でも、インバータタイプの方が明るくなるので、省エネにもなります。

自由な周波数に変換して省エネに貢献

要点ボックス
・家電製品、ポンプやファンの流量・風量調整、照明器具など、さまざまな所で活躍
・モータの回転数を調整して効率を上げる

<  一覧へ戻る